クリック率は、すべての視聴の入口を表す数字ではない
YouTubeのインプレッションのクリック率は、YouTubeで計測対象となったサムネイルの表示が、視聴につながった割合です。外部サイトやアプリなど、インプレッションの計測対象に含まれない入口もあります。そのため「インプレッション数×クリック率」で分かるのは、その表示から生じた視聴の目安であり、動画全体の視聴回数ではありません。YouTube公式ヘルプ:インプレッションと総再生時間を確認する
たとえば、会社のホームページから動画を見た人が増えていても、クリック率だけを見ていては、その動きを把握できません。会議で数字を共有するときも、「動画全体の視聴回数」と「計測対象の表示から生じた視聴」を分けて扱いましょう。
最初に、比較している条件をそろえる
公開したばかりの動画と、数週間たった動画を並べて、率だけで優劣を決めないようにします。自社の過去動画と比べる場合も、次の条件を確認してください。
まず、公開から同じくらいの期間を切り出しているか、近いテーマ・対象視聴者・動画形式で比べているかを確かめます。
次に、検索やホーム画面などの主な流入元がどう違うか、判断に使えるだけのインプレッションが集まっているかを確認します。
YouTube公式も、クリック率は視聴者や表示場所によって変わり、広くホーム画面に表示される動画では低くなることがあると説明しています。十分な表示がない段階や、小さな変動だけで判断しないことも案内しています。YouTube公式ヘルプ:インプレッションとクリック率に関するよくある質問
「何%なら合格か」を一つ決めるより、まず近い条件の動画を比較相手にする方が、修正する理由を話し合いやすくなります。比較相手がなければ、今回は基準を集める回として記録を残す方法もあります。
率が下がっても、表示からの視聴は増えることがある
次は、関係を説明するための架空の例です。実際の運用実績や、目標値ではありません。
表は左右にスクロールできます。
| 比較する期間 | インプレッション数 | クリック率 | その表示からの視聴回数 |
|---|---|---|---|
| 期間A | 1,000回 | 8% | 80回 |
| 期間B | 10,000回 | 4% | 400回 |
この例では率は半分ですが、表示からの視聴回数は増えています。「4%になったから失敗」と決める前に、表示された場所や対象の変化を確認したいケースです。反対に、表示回数も視聴回数も減っているなら、同じ説明では片づけられません。
ここで残すメモは「クリック率低下」だけでなく、「表示回数は増加。どの流入元が増えたかを次に確認」のようにします。まだ確かめていない原因を、結論として書かないことが大切です。
条件を確かめたうえで、動画を見る理由を点検する
近い条件で比べてもクリック率が低い場合は、タイトルとサムネイルを見直す候補にします。確認するのは、文字の大きさや色だけではありません。「この動画を見ると何が分かるのか」が、初めて見る人に伝わるかを読み直します。
たとえば、収納の動画に「私たちのこだわり」とだけ書いてあれば、視聴者は自分に関係する内容か判断しづらいかもしれません。実際に帰宅後の収納を説明する動画なら、「帰宅後の荷物、どこに置く?」という問いを候補にできます。
これは表現を考えるための例で、クリック率が上がると保証するものではありません。動画で答えていない問いを掲げず、本文や映像で説明している内容から、見る理由を探します。対象となる視聴者そのものが曖昧なら、企業YouTubeの発信設計も併せて確認してください。
クリックされた後の冒頭も、実際に見返す
サムネイルを強くしてクリックを増やすことだけが、見直しの目的ではありません。期待した内容が動画の中で説明されているかも確認します。
YouTubeの視聴者維持率では、どの場面が見られているかを確認できます。公式ヘルプでは、冒頭の維持率を考える観点として、最初の30秒がタイトルやサムネイルからの期待に合っているかを挙げています。YouTube公式ヘルプ:視聴者維持率の重要なシーンを測定する
収納の手順を期待して開いたのに、長い会社紹介から始まっていないか。解決したい問いに触れるまで、どれくらい待つのか。担当者同士で冒頭を再生し、数字と映像を並べて話します。維持率の落ち込みだけから理由を断定せず、説明の順番や伝え方を見直すための材料にしましょう。
次の判断のために、変更前の記録を残す
修正する場合は、変更前のタイトルとサムネイル、確認した期間、流入元、数字、変更理由を残します。たとえば「収納の話だと伝わりにくいと考え、問いを具体化した」と書けば、後から狙いを確認できます。
複数箇所を一度に変えると、何を試したのか追いにくくなります。変更点を絞るのは記録を読み返しやすくするためです。ただし、変更前後で視聴者や流入元は変わるため、数字が上がっただけで修正の効果が証明されたとはいえません。この比較上の注意も、YouTube公式のクリック率FAQで説明されています。
今日の確認で決めることは、「もう少しデータを集める」「表示場所の変化を調べる」「見る理由の伝え方を直す」のどれに進むかです。担当者と次に確認する日を決め、小さな振り返りを続けましょう。
PLOT WITHのYouTube運用支援では、企画・制作・投稿・改善までご相談いただけます。
