間取り図には「今どこにいるか」を任せる
まず、間取り図で伝える役割を絞ります。今回なら、家全体の中で今いる場所と、次に向かう場所の関係です。仕上げの質感や設備の使い方は実写で見せ、図では部屋のつながりを補います。
すべての部屋名、寸法、設備記号を一度に載せると、小さな画面では確認しづらくなります。設計用の図面をそのまま縮小する前に、この場面で視聴者に探してほしい場所を決めてください。
たとえば、洗面へ移る場面なら、直前にいた玄関、通る廊下、目的地の洗面が分かる図を用意します。見せる範囲を拡大するときも、全体図のどの部分なのかを先に示すと、映像との対応を説明しやすくなります。
撮影前に、実際の建物と合う公開用の図を用意する
制作担当者へ渡すのは、撮影する建物と内容を照合した図面にします。計画段階の図と完成後の配置が違っていないか、扉や収納の位置まで担当者に確認してもらいましょう。撮影に立ち会わない編集者にも、使用する版が分かるファイル名を付けます。
公開してよい範囲も、この段階で決めます。氏名や住所など、部屋のつながりの説明に不要な情報は公開用の図から外します。自社のモデルハウスを使う場合も、手元に図面があることと、そのまま動画で公開できることは分けて確認してください。
全体図を出せない物件では、許可された範囲だけの図で説明する方法があります。ただし、部分図でも出せない情報が含まれる場合は使いません。撮影できる範囲で出入口を見せるなど、別の伝え方を考えます。図を作り直す場合も、実際にはない通路や扉を加えないようにします。
部屋の呼び方と、図の向きをそろえる
映像では「洗面」、間取り図では「パウダールーム」、字幕では「手洗いスペース」と呼んでいると、同じ場所かどうか迷うかもしれません。収録前に、動画で使う部屋名をそろえておくと、編集時の確認が楽になります。
図の向きは、場面が変わるたびに回転させる必要はありません。一つの向きを保ち、現在地を印で示す方法から検討できます。印には「現在地」などの文字を添え、色の違いだけに頼らない表示にします。
矢印を使う場合は、移動する方向なのか、カメラが向いている方向なのかを決めます。同じ矢印に二つの意味を持たせず、必要な方だけを表示してください。図の中では右へ進み、カメラの映像では左へ動く場面もあります。無理に向きを一致させるより、通る扉や廊下を映して関係を説明します。
図を出すのは、場所が変わる場面から考える
間取り図を常に表示する方法もありますが、まずは視聴者が位置を見失いそうな場面を選んでみましょう。別の部屋へ入るとき、階を移るとき、編集で移動部分を省いたときなどです。
以下は、玄関から廊下を通って洗面へ向かう架空の構成例です。特定の施工事例や、効果を実証した編集手順ではありません。
表は左右にスクロールできます。
| 場面 | 実写で見せること | 図で補うこと |
|---|---|---|
| 玄関で説明する | 玄関と、廊下へ続く入口 | 全体の中の玄関の位置 |
| 洗面へ移る | 廊下を進み、洗面の入口に着く動き | 玄関から洗面までの経路 |
| 洗面を紹介する | 出入口との関係が分かる室内 | 現在地を洗面へ切り替える |
| 設備を説明する | 水栓や収納などの手元 | 不要なら図を外し、実物を見せる |
移動の映像が長い場合は、一部を省いても構いません。その際は「玄関から廊下を通って洗面へ来ました」と添えるなど、どこを飛ばしたのかが分かる説明にします。図に経路を描いても、実際に通れない場所を通ったように見せないことが前提です。
撮影当日に全部屋を撮る順番と、完成動画で紹介する順番が違う場合は、編集用のメモに「直前の場所」「今いる場所」「次の場所」を残しておくと照合できます。
スマートフォンでは、図と字幕を一緒に確認する
編集画面を大きく表示して読めても、スマートフォンでは部屋名が小さすぎることがあります。実際の視聴サイズで、説明している場所を迷わず見つけられるか確認してください。文字を増やして解決しようとせず、不要な記号を減らす、対象の範囲を拡大するなど、表示する情報を整理します。
図が担当者の手元や、開閉している扉を隠していないかも確認します。部屋の位置を説明するために載せた図で、その位置を理解する手がかりを隠してしまってはもったいありません。
YouTubeでは、動画に字幕を追加できます。YouTube公式ヘルプ「字幕を追加する」で方法が案内されています。字幕を使う動画は、字幕を表示した状態でも、間取り図や部屋名と重ならないか確認しましょう。図を出す位置は、実際の映像と字幕を見ながら決めます。
初めて見る人に、部屋のつながりを説明してもらう
仕上げの確認では、撮影に参加していない人に一度見てもらい、「玄関から洗面へは、どこを通りましたか」と聞いてみます。「分かりやすかったですか」だけより、どこで位置を見失ったかを確かめやすくなります。
答えが曖昧だったら、同じ場面を見返します。図の文字が読めないのか、現在地の切り替えが遅いのか、移動を省きすぎたのか。原因の候補を絞って直し、もう一度その場面を確認してください。一人の感想を視聴者全体の評価とはせず、説明の抜けを探すために使います。
次の撮影では、場所が切り替わる場面を一つ選び、必要な図と移動の映像を準備してみてください。ルームツアー全体の企画・撮影については、住宅会社のルームツアー制作ガイドで整理しています。制作体制も含めたご相談は、PLOT WITHの住宅会社向けYouTube運用支援をご覧ください。
